ケーブルハートプロジェクト

ケーブルハートプロジェクト

ケーブルハートプロジェクトについて

ケーブルハートプロジェクトへ賛同し参加していただける企業さんを募集しております

弊社での支援先(2020年現在)

  • 「社会福祉法人ひつじ」 居処どこでも(自立訓練(生活訓練)事業・就労継続支援B型事業)
  • 「社会福祉法人 草笛の会」 つばき作業場

初 め に

弊社が地域にある授産所施設(主にダウン症)に寄付や定期的にアルミ缶などを持って行っていました。

ある時に施設の方から「ここにいる障害者の子たちに何かできる仕事はないですか?」と言われ、電気工事屋で出来ることっていえば電線の皮を剥いて銅線売れば仕事とお金になると提案をしました。それではやってみようということで通常廃棄する屑線、雑線を施設に渡し剥き方を教え一緒に電線を売りに行きました。障害を持つ彼らは自分たちの行った作業が多くのお金(今までより良い金額)になりました。非常に喜び、働く気持ちも今まで以上になったと伺っています。

*現在では精神障害のある方の施設とプロジェクトを進めています。

電気工事業者として何を行うか?「我々のできること」

目的と対象者 

  • 我々、地域に根差す電気工事業者としてとして地域の抱える問題に積極的に参加し、支援できることを積極的に行い地域における存在意義を追求していく。
  • 障害者の社会参画を促し、働く喜びとそれぞれが自立し地域の活性化を図る。

福祉施設との連携(福祉施設にもたらすメリット)

  • 電線の被服剥離、分解作業は単純作業である。
  • 納期が無いため受注している内職仕事の閑散期に作業を行う事が出来る(電線は腐らない)
  • 比較的安価な設備投資(剥離機械)により安全な作業が可能つまり、作業所等の福祉施設での請負作業に適している。
  • 障害者の雇用創出と賃金向上(現状月1万円を切る賃金)に貢献。(内職作業の5倍程度)
  • 廃棄電線の分解作業を福祉施設が請け負うことで、雇用創出と賃金向上の両課題の解決につながり、通常の内職と言われる業務の閑散期の穴埋めにも有効。

連携施設の概要

「居処どこでも」は精神障害のある人たちを対象にH25年4月に開所しました。

人口約3万3千人の御前崎市内に精神障害者の通所施設は2ヶ所のみ、公共交通機関の不足という地域事情もあって、多くの方が自宅以外の居場所がないまま閉居生活を送っている実情を受けてのことです。現在、生活リズムを整えるための生活訓練と、働く場を提供する就労継続支援B型事業の2つの事業を送迎支援付きで行っています。社会との接点を取り戻し、生まれ育ったこの土地で生き生きと暮らしていけるよう支援を行っています。


銅線剥離作業の経過報告(平成25年6月時の報告です)

居処どこでも(就労継続支援B型・生活訓練事業所)

施設長 長谷川奈巳

はじめに:障害者をとりまく状況

  1. 平成18年「障害者自立支援法」が施行され、障害者が地域で経済的にも自立して生活できるよう支援する観点から、障害者の就労に関する施策の充実が積極的に図られるようになりました。法律は平成25年4月に改正され「障害者総合支援法」となりましたが、この動きは新法にも引き継がれています。
  2. 具体的な課題としては、障害者雇用に関する仕組みを整えることに加え、一般企業での就労が困難な障害者が通う福祉施設で支払われる作業工賃の引き上げ(福祉的就労の底上げ)が挙げられています。
  3. 福祉施設に通う障害者の多くが障害者年金を受給しています。そのため、就労収入が月3~5万円あれば最低生活費(生活保護制度を頼らずとも生活をしていくことが可能な金額)を確保できるのですが、平成23年度の福祉施設の平均工賃は13,586円/月(厚生労働省による工賃倍増5か年計画の対象施設調査より)となっています。
  4. 福祉施設は工賃アップのため、施設外でのグループ就労(公共機関での清掃等)や独自事業の立ち上げ(クリーニング業やパンやクッキーの販売)など、地域の企業・団体の協力を得ながら作業内容の創意工夫を行っています。

「居処 どこでも」について

H19年より御前崎市の事業委託を受け市内にすむ精神障害者の生活支援のための活動を開始しました。主な内容は、レクリエーションを中心とした集いの場の運営と引きこもりがちな生活を送る方への訪問活動を中心とした相談支援です。生活状況の確認や社会参加に向けた声かけを行い利用者が増加する一方で、市内には精神障害者を対象とした通所福祉施設が不足していることを受け、H25年4月から新たに障害福祉サービス事業である就労継続B型事業および自立訓練(生活訓練)事業を立ち上げました。

利用者の多くは精神科病院への受診以外には通所先をもたず、複数年にわたり家で閉じこもりがちな生活を送っていた統合失調症の方々です。病状は安定しているものの社会経験が少なく、不安になりやすかったり失敗を恐れて緊張しながら生活をしている、社会復帰・社会参加に向けたリハビリテーションの初期段階にある方々と言えます。

作業実績

1)月別実績(平成25年当時)

4月5月
作業参加者の実人数7人7人
作業延時間101.5時間116.75時間
銅線量128kg97kg
銅線売上金額83,328円63,147円
銅線皮処分料(予定金額)5,000円4,000円

2)他作業との比較

銅線作業自動車部品組み立て農作業
参加者実人数8人6人3人
平均年齢52歳55歳50歳
男女比7:11:12:1
月平均収入73,237円13,305円0円(収穫なし)

※ 皮については産業廃棄物処分業者へ処分を依頼。

銅線作業導入の効果

  • 「切る」「機械に通す」「剥く」のいずれも簡単で単純作業であること、不良品(失敗)の心配がないこと、納期がないため自分のペースで作業へ参加できること、などから不安の強い利用者であっても挑戦しやすい。
  • 流れ作業で行うことで複数の利用者が同時に作業へ参加できる。
  • 必要とされる作業能力は他内職作業と同等でありながら、収益が大きい。
  • 銅線作業の収益のおかげで、他の内職作業従事者の工賃アップも可能となる。
  • 工賃の支払いだけでなく、諸費用の負担や積立(電線マンの購入を予定)など、作業を維持・拡大していくための経営基盤の強化も図ることができる。

就労継続支援B型事業とは

通常の事業所に雇用されることが困難であって,雇用契約に基づく就労が困難である者に対して行う就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の必要な支援事業のこと。

作業の様子